top of page

【協力隊の高畠トライアル】大野農園さん

更新日:2024年7月29日


こんにちは!

私は5月より地域おこし協力隊として活動している松原由侑(まつばら ゆう)です。


主な活動は高畠熱中小学校の授業の企画・運営ですが、来て一年目ということもあり、高畠町の事業者さんをいくつか訪問しながら町の産業を知り触れることも活動の一環として行っています。


6月は「大野農園」さんでお仕事を体験させていただきましたので、その日々を振り返り、活動の様子を少しですがお届けしたいと思います。



~葡萄に囲まれた6月~


高畠町はぶどうの産地として有名です。

大野農園さんも、ぶどうを栽培されていらっしゃる農家さんです。


シャインマスカット、シナノスマイル、黄玉…など20種類近くのぶどうをつくっており、そのほかにワイン用ぶどうも生産されています。


なかでも、高尾という品種においては、栽培が難しく手間がかかることから敬遠する人も多いそうですが、大野農園では栽培に取り組み、日本では収穫量がトップクラスの農園になっているとのことです。シャインマスカットと並ぶくらい、主要な果樹になっているそうです。


【写真】左から、クイーンセブン、コトピー、ピオーネ



正直、ぶどうが多すぎて、また、成長途中のぶどうは色も形も似ているので、どれがどれなのか一回見ただけでは覚えられそうにありません(笑)


初日には、シャインマスカットにジベレリンをつける作業をお手伝いさせていただきました。

ジベレリンとは実の成長を促すホルモン剤で、ジベレリンをつける作業を「ジベ付け」と呼んでいます。



赤い液がジベレリンです。(写真左)

本来は透明ですが、つけたかどうかが判別しやすくなるように、食紅を入れるなどして、あえて色付けしてわかりやすくしています。(写真右)


そもそもジベレリンとは、種が出来た後に出てくるホルモンです。

そのホルモンをまだ実が小さな種の無いうちに人工的につけ、種が出来た!と実に錯覚させることで、大きくなる過程での種の生成を防いでいるのです。

こうやって種無しぶどうができているのですね…!


種が無くて、皮も食べられて、味も美味しい……なんて食べやすいぶどうだろうか!

…と私は思っていたけれども、そんなぶどうを食べたいと思う人は多くいます。



作るためには手間暇がかかり、ゆえに値段が高くなってしまうけれども、それでも需要があるので生産もまた増えていくのです。



またある日は、デラウェアや高尾の上側の余分な部分をカットする段おとしの作業をしました。デラウェアは12㎝ほど、高尾は10cmほどのサイズにしていきます。

ハサミにはメモリが付いているので、目安にして切っていきます。



地面には切り落としたぶどうの一部があちらこちらに……

素人の私としては、せっかく大きくなったのに、切ってしまうなんて、もったいないと感じてしまうのですが、サイズを揃えるために実を落としていくことは、房につく実の味を均一に美味しくし、市場に高品質で卸すために必要な作業とのこと。



シャインマスカットにおいては、上だけでなく先端の枝分かれしているところは細い方を切るなど下側も整えていきます。

出来上がりの房のカタチに歪みが少なくなるように一つひとつ丁寧に作業を行いました。


6月下旬ごろには、実の一部を取っていく粒抜きの作業も教わりました。

ぶどうの粒が成長して粒と粒がぶつかってぎゅうぎゅうになってしまうと、実の成長の妨げとなったり、実が潰れたりすることがあるため、それらを防ぐために行います。

一粒一粒が綺麗に、まあるく大きく実るために必要な工程です。



大野農園を手掛ける、美千代さんによる粒抜きのお手本がこちらです。(写真)

きれいに粒と粒との間が空いています。

これが成長を見据えた粒抜きですね。



~大野農園の大野美千代さんの想い~


農業に対して、ちょっと危機感を感じている。

美千代さんとはそんな話もしました。


大野美千代さん

「若い人たちが、農業が大変だから手伝おうと思ってくれるのは素晴らしいことだと思うけど、それより自分たちの暮らしのことを心配した方がいいと思う」

そんなことをおっしゃっていました。


農業にちゃんと向き合って現状を知って、そうしたら危機感も必要性も感じてくる。

その上でやるべきことを認識して、自分の未来のために農業に主体的に取り組んでいく人が増えていくのが望ましい。

そうなっていった方がいい。


農業にかかわるようになって、学生の受け入れなども時々するなかでその気持ちがより強くなっていったそうです。

たしかに私自身、毎日当たり前のようにご飯を食べているけれども、お米農家さんがいなくなってお米が食べられなくなったら…


そういう未来を思うと、自分の手で食べ物を生み出していく術を身に着けていくことはとても大事で、これからの時代を生きる人の、とくに若い世代にとっては切っても切れない課題になっていくんじゃないかと思うのです。


農業に関わると、社会のことが、政治のことが、日本のことが数珠つなぎになって、世の中の構造が見えてくるようになり、考えていくようになる。


そういう意味では、農へ向き合い方や関わり方が深まっていくきっかけとして、近所のおじいちゃんや知り合いの畑の手伝いがあればいいなと思います。



~体験を通して思ったこと~


大野農園さんでの体験を通して、私自身も今後の人生を考えていこうと思いました。



ぶどうといえば、白い袋が掛かっているところしか見たことのなかった私は、今回の仕事体験を通して、繊細な作業を日々続けてようやく一つのぶどうが出来上がっていくことを知りました。

私が体験したことはほんの一部に過ぎませんが、それでも本当にさまざまな過程を経ているんだと思うと、手間暇、そして愛情をかけて、美味しいものって出来上がっていくんだなあと改めて実感しました。



以上、今回は「大野農園」さんでの活動報告でした。

早いものだと8月頃から食べごろになり、10月頃まで収穫時期となりますが、ぶどうが出来上がったら、絶対買おう!食べよう!という気持ちで今からいます(笑)


ほんの少しのお手伝いしかしていませんが、それでも自分が作業に少しでもかかわっていると思うと、やはり完成が楽しみです。

収穫の時期が待ち遠しいですねぇ~


それではまた次回、7月もお楽しみに~☆




 

【今回の体験先】

 屋号名:農園Rapporti

 企業名:株式会社大野農園

 住所 :山形県東置賜郡高畠町大字高畠1077‐25

 電話 :0238‐20‐4817



閲覧数:106回0件のコメント

Comentarios


bottom of page